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「常食」、「回転」、「乾燥」で選び出す [第5章「2か月分の備蓄リスト完成へ」]

これまで、ほぼ半年に渡って政府の公的文書を中心に渉猟し、首都直下地震や鳥インフルエンザの蔓延に伴う被害想定を踏まえたあるべき食料備蓄の要件を求めてきました。第5章からは、一家4人が2か月を食いつなぐために必要な食品のリストを具体的に定めていきたいと思います。

まず、改めて要件を整理しておきます。

1)一家4人が2か月間、食べていけるだけの量を備蓄する

2)1人1日当たりのエネルギー量は1800~2000キロカロリー。栄養分については厚労省の「日本人の食事摂取基準」に定められた目安量や推奨量を満たすようにする

3)備蓄スペースを最小限に抑える

この3つの要件を満たすためには、「農水省備蓄ガイド」(第3章)が薦めていたように、普段から食べている常食材を多めに備蓄する方法が適しています。乾パン、氷砂糖といった非常食や備蓄専用食で2か月分を賄おうとすれば、膨大なスペースが必要になるからです。

ただし、「備蓄ガイド」で多用していた缶詰、レトルト等の保存食は採用できません。これらは調理済みまたはオイル漬けなどの半調理済みで、水分や油分を多く含んでいる上に、パッケージの缶やパウチがかさばり、やはりスペース効率が落ちます。

「備蓄ガイド」で参考になるのは、2週間分の備蓄の中心に据えられた米です。

米は日々、消費する上に日持ちがします。どの家庭でも一定量は持っているので、その量を多めに持つことは無理なくできると思います。

実は、政府の米備蓄も、2010年度までは、在庫を多く持って余裕をもたせる「回転備蓄」という手法で行なっていました。毎年100万トンの米を政府が買い上げ、 古くなったものは順番に市場に再放出するのです。(2011年から、備蓄を市場から切り離す、「棚上げ備蓄」という方法に変えています)

回転備蓄の考え方を家庭に持ち込むと、備蓄はやりやすくなります。日頃食べる食材を余分に滞留させておくだけなので、いつの間にか忘れ去られてどこに何があるのかわからなくなってしまうような、非常食・備蓄食に有り勝ちな管理の不備は避けられます。賞味期限が切れてしまうといった無駄もなくなります。

一つ問題があるとすれば、保存性です。生野菜、生肉の類はすぐに痛んでしまうので、回転備蓄は無理です。栄養のバランスを考えると、米以外にも回転備蓄に適した食料品を見つけ出す必要があります。

キーワードは「乾燥」だと思います。

乾飯、干し芋、凍み豆腐、凍み餅、かんぴょう、切り干し大根、鰹節にビーフジャーキーetc・・・。缶詰やレトルトがない昔の保存食の多くは乾物でした。水分を除くと雑菌やカビの類が繁殖できないからです。

この視点で台所を見渡してみると、回転備蓄に適した食材は結構あることがわかります。

穀物では米、小麦粉、乾燥大豆、加工品では乾麺類(蕎麦、うどん、スパゲティ)、調味料では砂糖、塩、サラダ油等です。

次回以降、こうした乾燥食材の最適な組み合わせを探っていきます。


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