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米、小麦、大豆、石油 それぞれの備蓄量は? [雑談]

繰り返しになりますが、地震への対応策として国が家庭に推薦している食料備蓄の量は「最低3日分」です。
では、国家はどの程度の備蓄を用意しているのでしょうか。
 
農水省のホームページからです。
 
米=適正水準を100万トン程度で運用
食糧用小麦= 輸入麦年間需要の約2.3ヶ月分(うち政府在庫は約1.8ヶ月分)
食品用大豆= 年間需要の約2週間分
飼料穀物=配合飼料主原料の年間需要の約1ヶ月分
(上記備蓄と併せて、配合飼料メーカーに対し、別途、使用量の概ね1ヶ月分の在庫を確保するよう指導)
 
ちなみに飼料穀物というのは、家畜のエサです。
 
米の備蓄量はかつては150万トンのころもあったのですが、現在は100万トン水準です。
注意しなければならないのは、この備蓄は、一義的には地震に備えて用意したものではなく、不作に備えて用意したものであるということです。 
 
量の根拠については政府が平成14年12月05日の参議院農林水産委員会で答弁しています。下線は筆者。

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○政府参考人(中川坦君) 備蓄研究会におきまして適正在庫水準として百万トン程度ということで出されましたその根拠でございますけれども、当然お米ですから作況変動がございます。そこで、十年に一度の不作に備えると、これは大体作況指数で言いますとたしか九二ぐらいの数字だったかと思いますが、そういうふうな場合の試算、これが大体九十万トンから百万トン強。それから、通常不作と言われるような数字、大体作況指数で申しますと九四程度でございますが、このような不作が二年続いた場合でも対応できる、これで試算をいたしましても八十万トンから九十万トン程度あれば何とかできるということでございます。
 さらに、そのほか端境期というのが最近前の方に倒れてきておりまして、七月から八月というのが新米が出る前の時期になるわけですけれども、この時期に対応していく、そこでお米がショートした場合に対応していくというふうなことで考えましても百万トンそこそこというふうな、こういういろんな数字を並べまして総合勘案して百万トン程度で大丈夫であろうというふうなことでございます。
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「十年に一度の不作」または「二年連続の普通の不作」の際にも、「端境期に米がなくならない」ことを基準に考えられているようです。
 
日本の水陸稲の生産量は年間約850万トン(2010年産)であり、このうちの100万トン程度を国が購入して備蓄に回しています。年間消費750万トン(850-100)の1か月半強分に当たります。
 
この考え方を家庭に援用するとどうなるでしょうか。
 
日本の国民一人当たりの米消費量は年間約60キロ(月約5キロ)です。 これを稲の生産量と備蓄量の差(消費量)に相当する数字とみなすと、60×100÷750=8で、一人8キロの備蓄に相当します。
 
すでに見てきたように、このブログで想定している備蓄は、十年に一度程度の不作に対応するためではなく、「今後30年に70%の確率」で起きるとされている大震災に対応しようとしています。だから、単純に比較すること自体にそれほど意味はないのですが、国が「10年に1度程度の異変」に対して、主食の米で約1か月半の備蓄を持っているという事実は大変参考になります。

なお、昨今、値上がりが激しい石油についても、国は備蓄制度をもっています。
 
政府によると、石油備蓄制度は 、国家備蓄と、「石油の備蓄の確保等に 関する法律」 に基づく民間備蓄の二本立てとなっており、
 
2011年6月末現在、

国家備蓄= 114日分
民間備蓄=86日分
合 計 200日分
 
があるということです。石油に関しては半年以上の蓄えがあることになります。
 
米の国家備蓄は1か月半分ですから、国家にとって、石油の方が、米よりも途絶すると危機的なのだと思います。
 

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